695人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめんね……。私…知らんくて……」
そう言ったナツキちゃんを僕は見た。
困ったように眉をひそめ、自分がした事を悔いるように僕を見ていた彼女と目が合った。
彼女は罰が悪いらしくまた前を向いた。
膝に顎を乗せ、ジーッと視線の先を見るように何かを考え込んでいるみたいだった。
「……。本気でトモアキの事ば好いとるって思ったっさね。良い子やし……トモアキならってさ……」
「バカよね……。鵜呑みにして…トモアキ傷つけて……」
「一人で張り切って……空回りして……」
「ユキナの事……なんも解っとらんかった……。そんな子じゃないと思っとったとけどなぁ……」
それを聞いて、僕はさっきの一瀬を見ながら言ったナツキちゃんの言葉を思い出した。
(「良い子やろ?」)
そう言った後の普段とは態度が違っていたナツキちゃん。
(自信のなくなったとばいな……)
そう僕は思った。
信じていたはずの友達に裏切られたのだから当然なのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!