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靴箱の近くで呼び止められた僕は、靴に履きかえ外へ。
夏の頃に比べ、だいぶ涼しくなっていた。
それでも強い陽射しに照らされて、二人は校舎に沿って歩き出した。
グルッと校舎を半周し、左手の窓の向こうにさっきの靴箱が見えた。
放課後だから、ほとんど人はいない。
「で、どこに行くと?」
男同士で無言で歩くのも気持ち悪いし、聞いてみた。
「ちょっと話しのあるけんが。」
先を歩く高木は、振り向きもせず言った。
………。
「おい(自分って意味で『俺』みたいなかんじ)。わい(『お前』って意味かな?)になんかしたっけ?」
別に、人に聞かれて嫌な話を二人きりでしたことないし…。
わざわざ呼び出されることも初めてだった。
「うんにゃ。話しのあるとは、おいじゃなかばい。」
???
「じゃあ、誰が?」
いつの間にか、並んで歩いていた。
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