ある日、それは突然に。

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………オカシイ。魔力についての説明ならとうの昔に理解させたはずなんだが? どうやら神はこのイタイ子に『天性のバカ』である才能を与えてしまったらしい。 俺は生まれて初めて神を恨んだ。なんでもっとましな脳みそにしてくれなかったんだろう? 考えても仕方がない。これこそ正に『神のみぞ知る』ってヤツか。 えっ? バカにはなんで怒らないのかだって? バカにつける薬はないんだよ。怒ったところで時間と体力のムダだ。 ふと一匹の猫がマッタリ日向ぼっこしているのが視界の隅に入る。その『ぐで~』っとした姿がなんかムカついたので道端の石を蹴って飛ばす。 八つ当たりの力を借りたソレは、見事、呑気に毛繕いをしていた猫の体に当たる。 ケッ、ザマ~見やがれ。 そういや、バカに出会ったのもこんな感じの空だったな。 ちょっぴりスッキリした俺は青空の広がる空を仰いだ。 ────
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