プロローグ

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「おい、サッサと行くぞ」 俺は荷物持ちを急かす。まぁ急ぐ必要はねぇんだが、サッサと行った方が面倒なことにならないで済む。 「フィーさん、ふざけないで下さいよ~。なんで華奢で可憐なうら若き乙女の私がこんなことしないといけないんですか~?フィーさん男でしょ。何にも持ってないんですから手伝って下さいよ~。」 ………若干頭がお痛な荷物持ちがかなり後ろの方から大声で俺に言葉をかえす。 普段軽やかでよく響く綺麗な声が俺にこれ以上ないくらいに羞恥の念を抱かせる。 まったく、あの妄言をよく吐く口をいつも閉じていたならうら若き乙女で通用しただろうに。アイツの今日の晩飯はピーマンの芯(生)に決定だな。
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