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「しゃーねーなー」
俺は少女に歩み寄ると肩に手を寄せ、そのままポンポンと二回肩を叩く。
それと同時に魔法をかけて…。
「おっ。軽くなった。」
荷物持ちはそれまでの千鳥足はどこへやら、しっかり地面を踏みしめて、それまでズルズル引き摺っていたカバンを持ち上げてみせる。
「ありがとうございま~す。って違いますよ。私は肉体強化をして貰いたいんじゃなくて、荷物を持って欲しいんです~。いっつも私が持ってるんだから、たまには自分で持って下さいよ~。」
「面倒だ。パス。大体さっきかけた魔法は肉体強化じゃなくて荷物にかかる重さを軽減させるもんだぞ。その程度のことも分からないで偉そうな口聞いてんじゃねーの。大体、俺に荷物を持たせたいなんて思わせた原因である重さから解放されたんだからいいだろ?ほらさっさと行くぞ。」
俺はまた歩みを戻す。
後ろから聞こえるアイツのぶーたれる声は聞こえなかったことにしよう。相手するのが面倒だ…。
はぁ…。憂鬱だ。
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