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あの日から数日間、2人が会うことは全くなかった。
正之が理子の家まで来ることはあっても、理子は頑として部屋から出てこなかったのである。
そして、8月30日。
この日、正之とその家族は東京へ行くこととなる。
引っ越し業者のトラックの音で理子は目を覚ました。
これからトラックに家財道具等を詰め込むのだろう。
パジャマ姿のまま、部屋のカーテンを開けて、その様子をボンヤリ眺めていた。
「理子、早く起きなさーい」
1階から理子の母の呼ぶ声が聞こえてくる。
「はーい」
心配掛けないよう、元気を装いながら理子は返事を返した。
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