始まり

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気が付くと理子は車道に飛び出していた。 無我夢中で走っていたから、そのことに全く気付いていなかったのだ。 そこへ、前方から乗用車が突進してくる。 理子が立つ場所は片道1車線の道路の真ん中付近。 咄嗟に避けられるなら既にそうしていただろう。しかし、理子は車に気付くと人形のように固まり、その場から動けなくなってしまった。 けたたましいクラクションを鳴らし、車が迫ってくる。同時にブレーキを掛ける音も聞こえた。 それが、その当時彼女が見た最後の光景だった。 次に目覚めたのは、それから数ヶ月後。 .
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