25人が本棚に入れています
本棚に追加
気が付くと理子は車道に飛び出していた。
無我夢中で走っていたから、そのことに全く気付いていなかったのだ。
そこへ、前方から乗用車が突進してくる。
理子が立つ場所は片道1車線の道路の真ん中付近。
咄嗟に避けられるなら既にそうしていただろう。しかし、理子は車に気付くと人形のように固まり、その場から動けなくなってしまった。
けたたましいクラクションを鳴らし、車が迫ってくる。同時にブレーキを掛ける音も聞こえた。
それが、その当時彼女が見た最後の光景だった。
次に目覚めたのは、それから数ヶ月後。
.
最初のコメントを投稿しよう!