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「そんなのわかってる……けど、そんなことなら最初から"正くんなんかと出会ってなかったらよかった"出会ってなかったらこんな寂しいおもいしなくてよかったのに…」
「理子…」
正之も返す言葉を失い、ただその場に立ち尽くしている。
理子は涙でぐちゃぐちゃになった顔を浴衣の袖で拭っても拭っても抑えることが出来なくなっていた。
「正くんなんか大嫌い!!」
勢いに任せるように言い捨てると、理子はそこから飛び出すように出ていった。
「理子、待って!」
正之も必死に引き止めようとしたが、その声は理子には届かなかった。
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