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「んなこん、しないでよろしい」
べしっ
雅心は燐にチョップを放った。
「痛っ。もう、痛いよシン君」
どうやら本当に痛かったらしく、少し涙目になりながら、頭をさすっている。
「お前が変なことをするのが悪い」
「だからって、こんなに強くすることないじゃん!」
「自業自得だ。それに、このチョップは、俺のツッコミと、鳳月の不快感が合わさった痛さだ」
「なんで怜璃ちゃんのも合わさってんの!あっ、もしかしてシン君"も"怜璃ちゃんのことが好きなの?」
燐はニヤニヤしながら雅心に言う。
「なっ!!///」
何故か顔を赤くする怜璃。
べしっ
またもや燐にチョップを放つ雅心。
「馬鹿言うな。それに、"も"ってなんだよ」
「いった~!!痛いじゃんシン君!!」
今度はさらに痛かったらしく、頭を抑えながらかがみ込んでしまった。
「うるさいリンリン。さぁ、行くぞ鳳月」
「えっ、あ、うん……」
怜璃は痛がる燐を少し気にしながらも、雅心に付いて歩く。
「待ってよ~シン君~、置いてかないでよ~」
置いてかれた燐は、そう叫びながら雅心達を追い掛けて行った……
◇
「じゃあねシン君に怜璃ちゃん、また翌朝」
「あぁ、おやすみ……リンリン」
部屋の前に着いた三人は、そう言って、雅心達と燐はそれぞれの部屋に入っていった。
「アンタって、本当にアイツとどうゆう関係?」
部屋に入り、ソファーに雅心と向き合うように座った怜璃が言う。
「どうして気になるんだ?」
「だって、今まで聞き流してたけど、アンタ達リンリンやらシン君やらと、呼び合ってんじゃない?」
「…………」
黙る雅心。
てゆうか、答えたくない雅心。
「黙ってないで、なんか言いなさいよ?」
「色々あったんだよ……気にしないでくれ……」
「そ、そう」
怜璃は何か険しい顔をした雅心を見て、もっと問い詰めたかったが、諦めることにした。
その後、雅心と怜璃は食堂に行って夕食を食べ、眠りについた……
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