氷漬けの女の子

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約束日 当日 二人は、博物館に行った。 傍から見ると、二人はお似合いのカップル 「まるで、デートだね!」 ヒカリは楽しそうに笑った。 ソラは、ちょっと焦った様に笑った。 「じゃあ、入ろうか」  そして、二人は館内へ入って行った。 「うわぁ!すっごぉい」ヒカリは広い館内に感動していた。 館内は、古代ギリシャを思わせる様な壁画が真っ白い壁にさりげなく描かれていた。 「子供みたいだな」 くすくす笑いながらソラが言った。 「年齢的に言えば、ソラの方が2歳年上よ!」 ヒカリは、当然だと言う様に言った。 ヒカリ達は、ガラス越しの200年前の展示物をじっくりみていた。 「なぁ、これ何て書いてあるんだ?」 ソラが、一枚の紙を見ながらヒカリに聞いた。 「え?うーんとね… 『愛するラキ 貴方は、どうしていますか? 病気をしていませんか?私は、毎日貴方をことが心配しながら、想っています。 貴方は、軍役で忙しい毎日を送っていることでしょう。  でも、その中で、私を思い出してくれていたら嬉しいです。 【アイシテイマス】    ラティ』……ってか…書いてある…よ。」紙を見ていたソラがヒカリを見ると、ヒカリは涙を流していた。 「ヒ…ヒカリ!?どうしたんだ?」 「う…ごめん」 ソラは、ヒカリを近くのソファに座らせた。 「ごめんなさい…」 ヒカリが、言った。 「大丈夫?」 ソラは、ハンカチをヒカリに渡した。 「うん、読んでたら過去の事思い出しちゃって…」 ヒカリは、そのハンカチを受け取りながら言った。 「そっか…あのさ、聞きたい事があるんだけど良いかな?」 「うん、良いよ。」 「手紙の最後に書かってた、数字の『2164357』と文字の『イアマテシイス』って、なんで【アイシテイマス】って読んだんだ?」 ソラが言っているのは、さっきの一枚の紙に書いてあった、最後の謎の一文…ヒカリは、平然とそれを読んだのが、ソラには、不思議だったらしい…… 「あぁ…あれは、暗号文なの、さっきのを例にとると、数字順に並べていくと、《1、ア 2、イ 3、シ 4、テ 5、イ 6、マ 7、ス》ってなるんだ。」 「なんで、そんなことを?」 ソラは、不思議に思った。 「文章の中に『軍役で…』って書いてあったでしょ?あの頃は、文頭の『愛する〇〇』
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