11人が本棚に入れています
本棚に追加
とか文中の『想っています。』とかは、良かったんだけど、『愛しています』とかを書くのは、だめだったんだ…だから、恋人とかは数字と文字を使ったり、暗号化して手紙を出してたの。」
ヒカリは、ありのままに話した。
「もう帰るか?」
落ち着いたところで、ソラがヒカリに聞いた。
「うぅん…もう一つだけ行きたい所があるの…」
「そうか…」
二人は、立上がりヒカリが言う方向へ歩いて行くと、一際きらびやかな部屋へと入って行った。
そこは『王家の歴史』と札のある部屋だった。
「…ヒカリは王家と何か関わりがあったのか?」
「う…ん、少なからず…ね。」ヒカリは渋々言った。
「そうか。」
ヒカリは、何かを探すように展示物を見ていた。
「何探してるんだ?」
ソラが聞いた。
ヒカリは、ソラを見ていった。
「ソラは、考古学も勉強してるんだよね?」
「うん、父さんみたいな考古学者になるためにな。」
「じゃあ、ルーリア王って知ってる?」
ルーリア王…200年前に5つの国を束ねていたという王様
「知ってるけど?」
「じゃあ、ルーリア王に娘…姫がいたって言うのは知ってる?」
ヒカリは平然と言った。
「は!?マジで!そんな話初めて聞いたよ!」ソラはちょっと興奮気味だった。
「みたいだね…一切そんな事を記してある書物も、装飾品も無いもの…」「それって、世紀の大発見だよ!」
ソラの瞳は輝いていた。それに引き換えヒカリは微笑ましく笑っていた。
それから二人は家へと帰った。
帰る途中ソラは興奮が覚めない様子だったが、ヒカリは逆に沈んでいた。
「どうしたんだ?さっきからなんかおかしいぞ?」
ヒカリの様子が気になったソラが言った。
「ううん、何でもないの!でも、ちょっと気になる事があってね!」
ヒカリは、無理に元気を出そうとしているようだった。
「……あ!そうそうお姫様の名前なんて言うんだ!?」
ソラはヒカリの元気を取り戻そうとして質問した。だが、それはヒカリにとっては、あまり聞かれたくない質問だった。
「ヒ……H.メキナ・ルーリア…」
「…ごめん、ありがとう」
「どうして謝るの?」
「ヒカリが…悲しそうだから」
「え!?」
ヒカリは、驚いていた。
「そんな事無いよ!」
ヒカリは必死に笑顔を作った。
最初のコメントを投稿しよう!