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ただ、一見華奢なヘレンの右腰にぶら下がって無骨な金属音を鳴らしている銀の拳銃が、蝶を蜂にしている。
そんな彼女が歩を刻んでいるうち、夜宴にはぐれた数人の男が無礼極まりなく絡んできた。
「おい、おい、おい。ハーハハ。見ろよ、この女――――なあさ、何してんの?盲目だったら銃なんぞぶら下げてても危ないぜ?お家まで送ってやろうか、かわいい子猫ちゃん」
男たちは彼女を見て盲人と分かり、この女なら好き放題できると踏んで近づいてきたのだ。
「ちょうどいいくらいに近くにモーテルがあるのは神の御慈悲かねえ?おい、こっちに来な、ビッチ!」
「いい乳してんよなあ。へへへ、いくらだったら―――」
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