赤と黒の誘い

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目が覚めると同時に頬をつたう涙にきずく。 最近、いつもそうだ。 私は夢を見る。そして、目が覚めると泣いている。 夢の内容は覚えていない。だけど・・・いつもなぜか、誰かをとても愛しく感じる。 私はベッドの横にある机から水入りのピッチャーを取るとコップに注ぎ、それをいっきに飲みほした。 今、何時だろう・・・ 部屋の端の壁かけ時計に目をやると、もうお昼を過ぎていた。 ちょっとまずいかも・・ 私には両親がいない代わりに姉がいる。美人で頭もよく、思いやりのある自慢の姉だ。 姉は亡くなった両親の代わりに私の世話をしてきた。なので今のような状況は非常にまずい。 休みといえども、怒られるだろうな・・・ 「しかたない・・」 パジャマを着替えると、リビングに下り、恐る恐るドアの隙間からリビングを除く。 ソファーの上に姉がいて、テレビを見ながら編物をしている。 今なら大丈夫そう そう思ってドアを開けようとした瞬間だった。 姉さん「こそこそしないで、入って来なさい」 私は一瞬、ビクリとした。 きずかれてた!? 姉さん「きづかないとでも思ってた??」 姉は私の心を先読みしたかのような言葉を出す。 渋々、ドアを開けリビングの姉の前に座った。 姉さん「今日は」 「ごめんなさい!!」 姉のことばよりも先に謝る。 それを見て姉は少し呆れたように私を見て微笑んだ。
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