第1章~邂逅~

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―雪山・エリア2―  その頃、相棒のクリスと共に雪山草とポポノタンを集めに山に入っていたサリナも山の異変に気がついていた。  猛々しい殺気とでもいうのだろうか。そういうものが山に満ちている。  確かに、サリナがここに来るまでポポをまったく見かけなかった。おそらくそれが原因だろう。 「クリス、ちょっと様子を見てきてくれない?」  クリスは髭をひくつかせながら 「ニャ。任せるニャ」  と言い残し、トンネルに体を滑り込ませた。  残ったサリナも装備を確認しながら山頂へ向かう。  手持ちのアイテムで使えそうなものは閃光玉が1つと採掘で手に入れた石ころが少々。あとは煙玉くらいか。  簡単な採集だからと愛用の双剣を置いてきたことが悔やまれる。  ――と、独特な臭いがサリナの鼻をつく。 「これは……ペイントボール?だとしたら……」  考えうるものは一つ。誰かが大型の竜と戦っているということだ。  サリナは嫌な予感を振り払うように、足を早めた。
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