前半

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「はぁ・・・・・・」   僕は失恋した。 今日は3月15日、卒業式だった。 そして式が終わったあと、一年のころから好きだった人に告白したのだ。   「あぁ、分かってたさ。絶対に叶わない恋だったってことぐらい・・・・・・」   相手が優等生ならまだ良かった。相手がクラスのアイドルならまだ良かった。 だが僕の恋の相手は、担任だった。   覚悟はしててもつらいものはつらい。   「いつの学生だよ、失恋してブランコをこいでるなんて・・・・・・」   独り言。 別に心の中に友達がいてそれと話しているわけではない。   「イマの学生でしょ。 ってか今も昔も君以外にそんな人見たことないよ」   ・・・・・・え?   「え~と、どちら様ですか? あといつから居ました?」 「ん、神さま。 あといつからか。はぁ、ってため息ついたとこあたり?」 「最初からですか・・・・・・。 いや、そんなことより。カミサマって?」   僕の目の前にいるのは髪の長い綺麗な女性。 その人は今、自分のことをカミサマだと言ったのだ。 僕は少し混乱中。   「え、え? カミサマって“神さま”!? 奇跡を起こしたり出来んですか!?」
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