127人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ~…成る程ね…見つけたんじゃなくて、『見つかった』…ね。」
目の前には筋骨隆々な体に、分厚い唇には毒々しい色の紫の口紅、身長は2mを越えているだろう大男。
服装はノースリーブのシャツに下は何故かブーメランパンツ一丁である。あ~…スキンヘッドだ。
ハッキリ言って…気持ち悪い。
「この、あ・た・しから、逃げ切る事ができると思ったのかしら。」
なんか、体をクネクネクネクネ…、殺意が湧いてきたな。
「それじゃ、たっぷりと聞かせて…ぶるわっ!?」
取り敢えず、左側の顎に蹴りを叩き込み、黙らせる。
「うぜぇ…果てしなく、うぜえ…。クネクネクネクネ…喋るたびにポーズをとるな。阿呆が…。」
「いきなりな~にをするんだ、ゴラァ!!テメェの頭、割れた柘榴みたいにしてやんぞ!!」
地が出たみたいだな。チンピラみたいな言葉になってるぞ。
「…って…あら?………。」
………キュン。
ん?何かとてつもない悪寒が背筋を…。
「直球ど真ん中、ス・ト・ラ・イ・ク!惚れたわ~!!」
「あ゙~………そう…。はぁ、また変なモノに好かれたか…。…どうにかならんのか、この体質は…チッ…。」
不機嫌さを隠しもせずに舌打ちをする。
…が、目の前の『ヤツ』は一人で盛り上がっている。
「これってば確実に運・命ってやつよねぇ?キャー!こんな素敵な王子様が現れるなんて…サキュバス冥利につきるわぁ。」
「そんな運命、誰が享受するか。っーか、てめぇはインキュバス(男)だろうが、どさくさに紛れて何ぬかしてやがる。」
「そーだ!?まだ、自己紹介もしてなかったわねぇ。」
「誰もして欲しいなんて言ってねぇ。寧ろするな。」
最初のコメントを投稿しよう!