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「毎日でも逢いたいじゃないか!!愛するマイ サン!!」
「やかましい。『逢いたい』いうな。俺は恋人か?」
「うおお!?いかん、いかんぞ!!マイ サン!!いくら、愛していると言っても、近親そ……。」
ドシュ。
無言で喉に手刀を一突き。
全く、この親父は毎回毎回なんでこんなにテンションが高いんだ…。
そう思いつつ、声なき声をあげながら悶える父親(認めたくないが)を見る。
「あっ…あの…!!」
「あん?」
俺は声の主を探し、後ろを振り向いた…。
振り向いた先には高そうなソファーに人…もとい人間族ではない三人が腰掛けていた。
一人は、神族であるだろう。俗に言う『天使の輪』が頭上に浮いている。さらに黄金色でウェーブのかかった腰にまで届くロングヘアー。そして海のように蒼い瞳。少しタレ目かな?
もう一人は魔族だろう。顔に呪術の紋様、漆黒の肩まであるストレートヘアー。瞳は夕日の様に朱く、猫のように吊り上がっている。あ、頭に小さい角が左右あわせて二本ある。
最後の一人は妖魔族なのか?口から八重歯(牙?)が見えている。髪は白銀のショートヘアーでちょっと立ち気味。瞳は新緑の翠。なんか、凄い勢いで尻尾が振られてるなぁ…。
皆一様に服装は儀礼服と呼べそうなものを着ている。
そして、皆世間一般で言う、『美形』である。それも『超』がつくほどの…。
しかし、褒め讃えられるべき容姿を持つ三人を見た時の俺の第一声は…。
「ベタだな…。」
である。
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