ある日の物語 ~小さな夢~

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叶わない夢 分かってても 願ってしまう 馬鹿みたいに 私の夢 それは 漫画みたいに 学校の教室で 後ろの席の子と 話したり 遊んだり 盗み聞きしたり 授業中に 友達と 内緒話したり みんなは できるのに 私には できなくて。 私は耳の 障害を 持ってるから 手を使っての お話しか できなくて。 だから、 漫画みたいに 手話を使わないで みんなと 話したい。 後ろに 友達が居て。 好きな人が居て 私が前に立って 空を見上げながら 後ろの人と 話してみたい。 叶わないのに 私は 馬鹿みたいに 夢みてる。 今日も 涙を流しながら。 電車で 普通に 話してる人が 羨ましくて。 私は携帯で 一人の世界に 閉じ籠って。 羨ましいと 思わないように 携帯で 遊んでて。 駅でナンパ されたとき 私は耳が 悪いって そう言ったら ナンパ男は 逃げて行った。 親切な おばあさんが 私に話しかけて くれたけど 私には 聞こえない。 みんなと 手話を使わないで 話してみたい。 字幕のない 映画やテレビを 見てみたい。 小鳥のさえずりを 森のなかで 聴いてみたい。 海のさざ波の音 車の音 ラジオの音 川の音 木々のざわめく音 何かが落ちる音 みんながはしゃぐ声 みんなの声 自分の心臓の音 本をめくる音 言い出したら 止まらないくらい 色んな音を 声を 聴いてみたい。 今の 一番の 願いです。
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