5734人が本棚に入れています
本棚に追加
「またあの子、空見てる。」
「話す相手がいないからでしょ?」
そしてクスクスと笑うムカつく声…。
(あんた達なんかと話すことなんてない…。)
そう心で呟きながら、聞こえないフリをして空を眺め続ける。
早く時間が過ぎないかな…?と思いながら。
「ねぇ、ちょっと!私の声が聞こえないの?」
甲高い声に嫌気がさしながらも渋々そちらを向く…。声の主は『御園 恭葉(みその やすは)』。彼女は何かと私を毛嫌いしている…。
私は彼女が大嫌いだった。傲慢な喋り方…人を見下したような態度。甲高い声…。
「…なに?」
嫌気ながらもチラリと目線を向けて答える。恭葉はそれが気に入らなかったようで、椅子に座っていた私の肩を前から強く押した…。
最初のコメントを投稿しよう!