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ドンッと言う鈍い音を立てて私は後ろに倒れた…。
「痛い…。」
ぼそりと呟き恭葉を睨み付ける。今の体制では恭葉が私を見下しているようで、とても腹が立ったから…。
私が睨んだのがまた気に入らなかったのか、怒った表情をした恭葉は甲高い声で話し出す…。
「何よその目!ぼーっと寂しそうにしてたから、この私が声を掛けてあげたっていうのに!」
(掛けてあげた?頼んでないよ。むしろ話しかけないでよね。)
言葉に出さないまま無表情で恭葉を見る私。それにまた何かを言おうとした恭葉の言葉を遮るように、私が椅子から落ちたような音が聞こえた…。
その方向は教室の後ろ側のドア…。そしてそこには顔と地面が引っ付いている女の子…。
ドアの微妙な段差に躓いて転けてしまったのだと、容易に理解出来た。
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