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その子はムクッと起き上がり服の汚れを払うと、私の方に向かって来た。
そして私に話し掛けて来た。しかもその言葉は…
「大丈夫?」
だった。
ニッコリと微笑み、私の方に手を差しのべている。私より自分の心配した方がいいんじゃないか…?と思った。
どう考えてもこの子の方が痛かっただろう…。鼻を打ったらしく微かに赤くなっているし…。
しばらくの間この子の登場に唖然としていた恭葉は、この子に向かって怒鳴り始めた。
「あなた誰なのよ!そこを退きなさいよ、私は鈴に用があるの!」
「私は月!隣のクラスだよ。この子倒れてるじゃん?お話があるなら立ってからのがいいでしょー?」
そう言ってふわりと微笑むこの子の笑顔に、恭葉は固まって言葉が出なかった…。
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