~私の太陽~

5/7
5734人が本棚に入れています
本棚に追加
/122ページ
その子はムクッと起き上がり服の汚れを払うと、私の方に向かって来た。 そして私に話し掛けて来た。しかもその言葉は… 「大丈夫?」 だった。 ニッコリと微笑み、私の方に手を差しのべている。私より自分の心配した方がいいんじゃないか…?と思った。 どう考えてもこの子の方が痛かっただろう…。鼻を打ったらしく微かに赤くなっているし…。 しばらくの間この子の登場に唖然としていた恭葉は、この子に向かって怒鳴り始めた。 「あなた誰なのよ!そこを退きなさいよ、私は鈴に用があるの!」 「私は月!隣のクラスだよ。この子倒れてるじゃん?お話があるなら立ってからのがいいでしょー?」 そう言ってふわりと微笑むこの子の笑顔に、恭葉は固まって言葉が出なかった…。
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!