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しっかり繋がれた二人の手…。そして二人の姿はメリルの居る噴水の前から遠ざかって行った。
『仲直り出来たみたいでよかったですわ。』
そしてまた、ふわりと上品な笑みを浮かべる。
街の人々の笑顔。それはメリルにとってとても大切なもの…。街の人々がいつまでも笑っていてくれますように…と願い続ける。
穏やかな時間は徐々に過ぎて行き、辺りは朱に染まり始めた。
水に映る朱はより一層キラキラと輝き美しい。それが美しければ美しいほどメリルは嬉しい。
『この街は本当に美しいですわ。』
呟くようにつむがれた言葉は誰にも聞こえることはない…。
ふいにメリルは両手を広げた。それに合わせ噴水の左右から水の珠が浮き上がる。その珠は龍の形となりメリルの上にアーチを描くように交差し、噴水に落ちる…。
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