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「はぁ・・・レイ、だっけ?
一応、まだあんたら狙ってるってことにしといてくれよ。」
立ち去ることを条件に縄を解いてもらったギン。
「分かった・・・」
「どうせ俺らのところまで乗り込んで来るんだろ?そんな気がするからな。だとしたら、今連れて行こうが同じことだし、ついでだから姫も預かってくれ。
他の魔人に狙われることもあるから」
ギンは、じゃあな。と言うと、どこかへ歩いて行った。
「結局・・・お前は何者なんだ?」
「結局ボクは魔人のお姫様だよ。
ギンはボクの護衛長、あんなんだけど怒ると怖いよ。」
「あれが護衛長なのか・・・・・・」
「うん。もっとしっかりした人がいそうな気がするんだけどね。」
「ところで・・・いつまで抱きついているんだ?」
レイはフリムが抱きついている腕を見て言った。
「いいじゃん、少しくらい。」
そう言うと、レイの腕に顔をこすりつけ始めた。
「ん~・・・いい匂い・・・癖になるかも・・・」
フリムは器用に喉をごろごろ鳴らしながらレイに甘え始める。
「何をしているんですか?フリムさん。」
フリムの後ろには誰が見ても分かるくらい怒ったレベッカが右足のつま先で地面を均しながら立っていた。
「あはは、すいませーん。」
フリムはささっとレイから離れた。
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