桐一葉-秋Ⅰ-

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みつさんは、しばらく黙って読んでいたが、やがて小さく声を上げた。 つねさんが後ろから覗きこむと、つねさんも驚きを隠せないようだった。 「由果ちゃん・・・」 つねさんは私の顔を見た。 その途端、私の目からは涙が流れてきた。 「あれ・・・ちょっと・・・」 私はなぜ涙が出てきたのか分からず、止めようとしても出来なかった。 「ごめんなさい・・・私・・・」 私は必死で謝る。 「謝らなくてもいいのよ!あなた、こんなところで我慢してていいの?」 みつさんの言葉に、私ははっとした。 「・・・そうだ」 ここでこのまま、事態が変わるのを指をくわえて見ているなんて出来ない。 「みつさん、つねさん。私、京に行きます」 彼のいる京へ・・・ 彼を救うために・・・ 私は決意した。 .
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