桐一葉-秋Ⅰ-

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「そうよ由果ちゃん!それがいいわ!」 自分も行くといわんばかりのみつさん。 「でも、いきなり行ったら大変じゃない?それに、優ちゃんと大河くんもいるし・・・」 あくまで現実的なつねさん。 「二人とも、連れていったらいいじゃない!あの子も喜ぶわよ」 しかしそんな問題を、みつさんは見事に解決していった。 「うちの人、仕事で三河の方まで行くから、途中まで一緒に行ってもらうといいわ」 「ありがとうございます!」 私はみつさんに感謝した。 「こうしちゃいられないわ。あの人に言ってこないと」 みつさんが去っていく。 部屋には、私とつねさんが残された。 「つねさん・・・」 「気をつけて行ってくるのよ」 私が言おうとするのを、つねさんは遮った。 「ほら、早く準備しなくちゃ」 「はい!」 つねさんの顔を見ずに、私は部屋を出た。 .
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