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「お母様!」
急に入ってきた母に驚きながらも喜ぶ二人に、私は言う。
「優、大河。私達はお父様の所へ行きますよ」
「え?どうしてですか?」
当たり前だが、二人は驚いていた。
「理由は詳しくは話せないのですが、お母様が京に行くことになったので、あなた達も一緒に行くことにしたんですよ」
こんな説明でも、幼い子供たちは理解してくれた。
「分かりました!」
「ではすぐに準備してくださいね」
「はーい!」
そう言って二人は仲良く準備をしていく。
その様子を横目で見ながら、私も自分の分の準備をする。
「準備は出来ましたか?」
私は二人に尋ねる。
「はい!」
「それでは、おじ様にちゃんと挨拶してくださいね」
林太郎さんのことは、説明が難しいので、単に"おじ様"ということにしている。
「おじ様!よろしくお願いいたします!」
二人は笑顔で言う。
「お、二人ともえらいね」
と林太郎さんは二人 に向かって言い、私に
「言葉遣いが丁寧だね。しっかり教えてるんだ」
と言った。
私は、曖昧に答えて出発を促した。
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