桐一葉-秋Ⅰ-

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「じゃ、行こうか」 「はい」 見送りには、つねさんやみつさん、彦五郎さんまで来ていた。 「いってらっしゃい、由果ちゃん」 つねさんが言う。 「体に気をつけてね」 「はい」 「皆によろしくね」 みつさんが言う。 「承知しました」 私はそう答えて、笑顔を見せる。 「では、行ってきます!」 私は一歩進んで、振り返って手を振る。 つねさん達も、手を振っていた。 「おば様たちも元気でー!」 優と大河も、私の真似をして手を振った。 こうして私達家族は、幸せな生活を捨て、茨の道を進むことになっていった。 そんなことは、あの文を受け取った瞬間から、分かっていた。 それでも、私は進まずにはいられなかった。 "彼に会いたい" その一心が、私を強く動かしていた。 .
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