始章

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いつもの休み時間、いつもの教室。周りが席を離れているのにも関わらず、私 瀬川 晴希(セガワ ハルキ)は席に着いていた。 特別な事を考えることもなく。 ふいに肩を軽くたたかれた。 「何でさっきからボーっとしてんの?」 「あれ…?してた?」 「うん。思いっきり。」 「…そう?」 「あいかわらず鈍いね…君は。」 この、二人称が「君」な女の子は音無 由希(オトナシ ユキ)。 良く言って冷静・クール、悪く言うとそっけない・冷たい私の友達。…でも、根は優しくて頼りになる、大好きな人です。 「…どうかしたの?なんか、元気ないみたいだけど。」 「…珍しいね。由希が私の事心配してくれるなんて。」 「…そんな、冷たそうなキャラに見えるか?」 「え~?だって…。」 そう見えるものは仕方ない。現に、この人は「めんどいから。」っていう理由で メールの返信が2文字になったりする事が多かったりするのだ。
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