序説

6/19
前へ
/57ページ
次へ
呂譚とは… 先代桓帝の頃は忠義を尽くし 桓帝に信頼されていた。 だが 桓帝の遺言で幼い 諒帝の後見人に選ばれ権力を手にし『大将軍』となってから横暴が始まった。 そして皇帝の座を狙うまでになってしまったのである… 諒帝「そうか 呂譚の野心は薄々感づいていたが朕を害する事はないであろうと捨て置いたのが悪かったのか… やはり朕の不甲斐なさが災いを産んでいるのだな…」 憔悴した様子で語気にも勢いを感じなかった。 韓啓「今の状況で再起を計るのは難しいでしょうが帝が姿を消せば必ず 呂譚は野心を剥き出し皇帝の座を我が物にしようとするはずです! ですが奴が皇帝になれば地方に隠れた勇士や豪族が呼応し反乱をおこすはずです。 呂譚が反乱を鎮圧するには時間が掛かります 帝はその間に仲間を集め力を蓄え洛陽に蔓延る悪鬼のごとき輩共を一掃するのです! 帝には苦しく堪え難い事と存じますが 呂譚等を一掃するにはこれしかありません… それに非力ながら この 韓啓もお供致します。」 全てを打ち明け気が晴れた思いだった。 諒帝「今や 呂譚の機嫌をとる事のできる悪知恵の働く者しか残っておらぬ… 良臣は皆 去ってしまったな… …やはり 韓将軍の言う通りにするしかないのか…?」
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

220人が本棚に入れています
本棚に追加