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彼と付き合い始めて2ヶ月、思った通り彼の素直な笑顔は私の心を癒してくれた。
彼なら信用出来る。
彼となら、失った自分を取り戻す事が出来ると確信した矢先だった。
徹夜でレポートを仕上げたのがたたり、お昼を食べた後空き講堂でお昼寝をしようと扉に手をかけた。
『いいなぁお前の彼女。超可愛いし、スタイルいいし』
『だろーっ!? 自慢の彼女だよ!』
彼の声だ。
私は扉の陰で彼の言葉に頬を赤らめ、口元が緩むのを抑えきれなかった。
『スゲーいい身体してるし、連れて歩くには最高だよ。暫くは手放せないなぁ』
そう言った彼の笑顔に嘘はなかった。
どうしてだろう?
誰も私と本音でぶつかってくれない。
容姿のせい?
どこか自分でも気付かない性格の悪さでもあるんだろうか?
誰も私を見てくれない……。
せっかく掴みかけた希望が、足元からガラガラと崩れ落ちてしまった。
もういい……。
私は誰にも頼らない。
誰も宛にしない。
私は独りで生きてゆく。
この時は全てを諦め、もう望むまいと思った。
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