21365人が本棚に入れています
本棚に追加
最近社長が少し変わった。
社長は堂本さん以外には見せなかった顔を、千波ちゃんにも向けるようになった。
朝、エントランスに社長達を迎える時、千波ちゃんの頭を撫でながら、にっこりと笑う。
あれは嘘の笑顔じゃない。
どうしてだろう?
まさか千波ちゃんと社長……。
社長と千波ちゃんがどうなろうと、私には関係無い。
でも私は悔しかった。
私はまだ笑えないのに、社長は千波ちゃんに笑顔を見せる。
……ずるい。
同類であったはずの社長が、千波ちゃんによって変わってゆく。
私はなんだか独りぼっちになった気分だった。
ううん、私は最初から独りぼっち。今更孤独感にさいなまれる事などない。
そう、子供の頃からだから馴れている。
私は外見がかなりいいらしい。
だからミスキャンパスにも選ばれたし、沢山の男の子から告白もされた。
最初は小学校5年生の時。
クラスで人気のある男子が、私に告白した。
私もその子も付き合うと言う事が、まだよくわからなかった。
だから、面白そうだと言う理由でOKした。
次の日、女子全員から総スカン。
私はクラスの人気者と付き合う事で、女子の怒りを買ったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!