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泣きたいような笑いたいような気持ちが胸を締め付けたけれど、生憎僕にそんなグラフィックは用意されていない。
表情はぴしりとそのまま、僕はじっと彼を見詰めていた。
頭から足元に至るまで、特徴的な服。端整な顔付き。
なんだか急に、柄も何もない薄汚れたシャツとズボンを着ている自分が少し恥ずかしくなった。
ああ、知らなかった気持ちで胸がたくさんだ。なんだろう。不思議な感情。
やがて僕をすり抜けて、彼は“gris”に入って行った。
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