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静かな町を、てくてくと僕は歩く。
彼がいても、いなくても。
僕は歩くのが仕事なのだから。
ああ、でもこの高揚感はなんだろう。この心を打つ感情は。
“僕”はもう“僕”じゃない。
彼が僕を見てくれたから。
僕はしがない“村人A”。
ああ、町よ。今だけは消えないで。まだ、僕はこの喜びを味わっていたい。
真っ白に消えていく世界の中で、僕は叫んだ。声のない声で、それはもう思い切りよく。
(僕の日常は今日、完璧に消え去った!)
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