オープニング・村人A

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  僕は胸をどきどきさせながら、いつもの折り返し地点を振り返った。 そこにいたのは、見たことのないグラフィック。派手な服装に大きな武器で、スタスタと通りを歩いている。 それは僕より、ずっと早足だった。 “勇者様”は、あちらこちらで町人に話し掛けた。その度、僕が初めて聞く声で、彼に答えが返ってくる。 へえ。いつも見ていた女の子、あんな声してたのか。結構、綺麗だ。 僕は相変わらず“gris”の前を行ったり来たり。 表情筋が動く気配も見当たらないし、てくてく歩くばかりだけれど、でも、内心では馬鹿みたいに興奮していた。  
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