1873人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は胸をどきどきさせながら、いつもの折り返し地点を振り返った。
そこにいたのは、見たことのないグラフィック。派手な服装に大きな武器で、スタスタと通りを歩いている。
それは僕より、ずっと早足だった。
“勇者様”は、あちらこちらで町人に話し掛けた。その度、僕が初めて聞く声で、彼に答えが返ってくる。
へえ。いつも見ていた女の子、あんな声してたのか。結構、綺麗だ。
僕は相変わらず“gris”の前を行ったり来たり。
表情筋が動く気配も見当たらないし、てくてく歩くばかりだけれど、でも、内心では馬鹿みたいに興奮していた。
最初のコメントを投稿しよう!