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彼が来てから何度目かの折り返し、振り返ると、その人はいた。
初めてこんなに間近で人を見たよ。会話する距離にしてはちょっと、近すぎるような気もしたけど。
でも、確かにその瞬間、彼と僕は“出会った”。
そして次の瞬間。
前触れもなく、僕の喉に何かが込み上げてきた。ぐっと押されるような、奇妙な感覚だった。
「西の街道に魔物が出るから、最近はろくに仕事にも行けません。」
あれ…………、今、僕。
しゃべった?
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