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深いですね。
思いが深すぎるから何も見えなくなって仕舞うのですよ。
表も裏も見て感じて、考えなければ坩堝に嵌まって抜け出せなくなります。
「小僧の願いはそんなモノなのか?」
「そんなモノとは何だ?馬鹿にしてるのか?」
「逃げるのだな。彼奴から」
「……どうにもならない。俺にはこの世界を壊す事は出来ても美しい世界には出来ない。彼奴は何時もこの世界が崩れて行くのは自分のせいだと言って悲しんだ」
「蛙の子は蛙か。あの間抜けも逃げを選んだから子であるお前も逃げる。くだらん」
「彼奴まで馬鹿にするな!彼奴は俺の全部だったんだ!!」
「全部だからどうした?全部だから何だ?馬鹿馬鹿しい」
「この野郎!!」
「はい、ストップ。それ以上やったら面倒臭くなるから止めて」
「離せ!今すぐぶっ殺してやるんだ!」
「まぁまぁ、キャンキャン吠えないで。弱い犬はホント、良く吠えるね。黙れ」
「……っ!!」
「大人しくなった所で此方をどうぞ」
「あのねぇ……君が止める所じゃないの?缶詰を出してる場合かい?」
「そうでしたね。私が止める所でしたね」
「君は狡いよ。まぁ、そんな所も好きだったりするんだけどさ」
「知ってます。クロさん、貴方の言い分も分かりますが思い違いですよ」
見えるモノと見えないモノ。
見えないけれど、見えるモノ。
クロさんが見て居たモノ。
さて、どうしましょうかね。
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