始の章
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道なりに歩いていると一人の不思議な男か女か分からない人が前からやって来る。 長すぎる下駄の歯と着物の帯が目に止まる。 それを横目で見て通り過ぎ様とした。 『貴方の願い、叶えて差し上げましょうか?』 擦れ違い様に低く単調的にそう言った。 驚き振り返る。 其処には誰も居ない。 ただ、缶詰だけが道端に落ちていた――――
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