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「まあ待て。とりあえず宇宙服を着たまま外に出てみよう。まだ完全に安全と決まったわけではないからな。副艦長とお前は艦内で待機だ。万が一のためにな」
冷静な艦長の指示により、艦長と二人のクルーが外に出て調査を行うことになった。
野外調査は彼らにさらなる驚きの事実を知らしめた。豊富な水を始め、食料となる草や実をつけている木々、さらには地球でもよく見られるような小型の動物まで居たのだ。
「凄いな。ここまで地球に似ていると怖くなってくる」
「ああ。もしかしたら俺達のような高等生物が居るかもな」
「よし。ある程度調査も出来たし帰るか」
それを合図に、森を抜けようと戻ろうとした時、茂みの奥で何か大きなものが動いているのに気付いた。
三人に緊張が走る。
「静かに。そこのくさむらに隠れるんだ」
艦長が素早く指示を出し、三人が隠れて様子を伺っていると、茂みからその生き物が姿を現した。背中側に黒い毛を生やし顔は猿のようだったが、二本足で立ち右手には棍棒左手には鹿のような動物の首を持って引きずっていた。その姿は正しく……。
「ヒ、ヒトだ!」
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