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「キャー何!何!なーに!!」
悲鳴をあげたのはひなだった。
「何でこうなるのよ!」
そこには壊れた板状のメカと見事にバラバラになったロボットがあった。
せっかく浮いたと思ったのに…
「ありゃりゃ…ですねぇ」
残念そうにつぶやくのは猫…。
「くっそぉ~でもでも浮かんだんだからあとはバランスよね!バランス!」
ふて腐れた表情でひなは猫に目をやる。
「今度の実験台はソフィーあなたよ!」
「ひゃ~やめてよぉ!シャレになんないよぉ~」
目を丸くして逃げ回る猫
「あっ!あたしの腕を信用してないな待てぇ!ソフィー!」
「目の前で墜ちてるの見て信じろって方が無理!」
「こらこらソフィーをいじめちゃダメだぞ!」
眼鏡をかけた中年に入りかけの男性が入ってきた。
「パパっソフィーを捕まえてよ!」
「動物虐待反対!」
と言っていそいそとソフィーはパパの後ろに隠れる。
「何よ動物虐待ってソフィーはロボットじゃない!」
「違うよ!ロボットなんかじゃないよ!バイオノイドなの!ちゃんと生きてるのよ!」
ソフィーは反論する。
「そうだよひな。ソフィーは生きてるロボットなんだよ。
世界にたった一つだけのひなの大切な友達だろ?いじめちゃダメじゃないか。」
落ち着いた口調でなだめるようにパパが話す。
「もう、わかったよ。ソフィーをいじめたりしないから。
ちょっと失敗して悔しかっただけだから。」
ひなは壊れたロボットを見てつぶやいた。
「そうか。また失敗したのか。
大丈夫チャレンジ精神があればいつか成功するよ!」
温かい眼差しで励ます。
ひなの顔に元気が戻った。
「ただし、あんまりロボットは壊さないでくれよ高いんだから」
パパは苦笑いしながら言った。
ひなも思わず苦笑いする。
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