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「ああ、まだ紹介していなかったな。ほら、以前話した"データの提供者"が、この人だ」
中野は、過去の記憶をまさぐって、"データの提供者"に該当する人物について思い起こした。
そして、はっと声を小さく上げた。
「あれ、大学の教授だって、聞いてましたけど」
「確かに、そういうことにはなっているな」
高城は会話へ割って入ってきた人物へ補足する。
「データには俺が弟子入りしている教授のサインがつけられている。幾らなんでも、一介の大学生とマンツーマン契約じゃ、そっちのお偉いさんが承知してくれそうに無かった。奴等は、中身よりも包装紙に拘る。紛い物の商品に騙される口だ」
頭が切れる人物にありがちな、横柄な態度を隠さず、高城は鼻先で笑った。
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