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「はい、かしこまりました」
中野は軽く頭を下げて、引き受けた。
それから高城と敷島は席を立ち、上級職が集まっているブースへと歩いていった。
彼等が去った後、中野は次第に表情を曇らせていった。
「高城譲二……」
1人残された中野は、遠巻きから見える彼の名を、憎しみと嫉妬を押し殺した声で呟いた。
遠方で、企画部と開発部の責任者に紹介されている男の背中を、刺すような視線で睨みつけていたが、それに気づいた人間は、喧騒な現場で誰一人もいなかった。
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