水澱

第二章 オフィス

年末年始商戦に向けた新モデルを無事リリースできたからといって、企画部の仕事が消える訳ではなかったが、だからと言って納期直前のように忙殺されることもなかった。

一段落をつけてから、彼等のタスクは手がけたプロジェクトのレビューに追われていた。

特に、今回は初めて企業内で保有しているデータではなく、外部と協力してデータを収集した試みがあり、これを次からどう効率化するのかが、目下のタスクであった。

とはいえ、あと２週間足らずで年末年始の休暇が始まるため、それに関しては年明けに本腰を入れる予定であり、今はむしろ本年度の残件を整理することが優先されていた。