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「確かに、あたしは"ろくでなし"かもしれない。
自分が上に登れるなら、どんなことでもやるような人間だった。
学費を稼ぐためだったら、生活費を稼ぐためだったら、詐欺を働いている人に手を貸したことだってあった。
年齢を偽って売春をしたことだってあった。スケベな親父から根こそぎ有り金巻き上げたことだったあった。
友達だって、恋人だって出来たことなんて無い。誰かを幸せにしたことだって一度も無い。
だけど、敷島さんは…敷島さんは、違う。あたしはそんなつもりで近づいたんじゃない。
本当に…本当に生まれて初めて、好きになった初めての男の人だった。
生まれて初めて、あたしに下心を持たないで接してくれた、男の人だった。
この人なら、あたしを幸せにしてくれるって、あたしはそう信じていた。
あたしは、ただ、幸せを味わいたかった。
もう、痛めつけられるのは嫌だった。誰かに…誰かに助けてもらいたかった。それだけだけ、それだけだった…」
我慢していた感情と、拒否された感情とが混ざり、次第に彼女の言葉は聞き取れなくなっていった。
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