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「きれい…」
ぽつりと、誰にも聞き取れないような小さな声で、中野は漏らした。
薄汚れた水槽を眺める二人の元へ、敷島も近づいてきた。
先の辞令書を丸く押し固めると、水槽の中へ押し込むように入れた。
水分を吸ったその紙は、ゆっくりと底へと沈んでいった。
「どうすればいいのか、分からなくなってしまった」
高城の横に並んだ敷島が、彼同様に水槽を見下ろしながら、呟いた。
三人はそれからも、しばらくの間無言でその水槽を眺め続けていた。
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