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「やっと完成したんだな」
大学生の男―――高城譲二は、無表情ではあったが感慨深そうに呟いた。
「ああ、何度か頓挫の危機に見舞われたが……」
敷島は、大企業らしく広大なブースで、これまたエキゾチックなコンパニオン達が紹介している自分達の商品をちら見した。
「あの通り、日の目を見ることが出来た。君のおかげだよ。いくら感謝しても、仕切れない」
「別にたいしたことはしてない。ただ、そっちの窮地をこっちの窮地に利用しただけさ」
ふと、高城は昔を思い出すように目をしばらく閉じた。
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