―敵側―

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ごめんなさい、 ごめんなさい 我が儘で、迷惑かけて、傷つけて… ごめんなさい 何か冷たいモノが頬を流れて気がして目をあけた。 昨日はあのまま寝てしまったんだ… 頬を触ってみると涙が流れていた。 ゆ「ん…」 目が痛い… 腕で涙を拭って起き上がった。もう、熱も下がったしお店に出ないと…外を見るとまだ、陽が出たばっかりで薄暗かった。 着替えて階段を下りて行くと、もう料理の匂いが漂ってきた。 覗いてみると、菖蒲がもう立っていた。 ゆ「おはよう御座います菖蒲さん」 菖「ゆきこちゃん?もう熱は大丈夫なの?」 ゆ「はい。すいません。何を手伝えばいいですか?」 菖「じゃあ…お団子作って貰える?」 はい。と返事をして、早速仕事に取りかかった。今は、自分の仕事に集中しなきゃ… 黙々とお団子を作っていると横から視線を感じて、そちらを見ると菖蒲が心配そうにこちらを伺っていた。 菖「ゆきこちゃん。昨日、沖田君と何かあったの?」 ゆ「っ…なんでもないですよ」 浮かべている笑顔が、引きつっていないことを願った。 そんなゆきこに気付いたのか菖蒲は苦笑いをしてゆきこの頬に手を当てた。 菖「無理しないでね?辛くなったら言うのよ?」 ゆ「はい。ありがとうございます。でも、私は大丈夫ですから」 まるで、本当の母のように優しくしてくれる美しい人。 早くに母を亡くしたゆきこにとっては菖蒲は母のような存在だった。 暫くすると、空が下りてきて一緒に作った。やっぱりまだ、空には適わなかった。それを告げると、ふふん!と胸を張ってまぁねと笑っていた。 空「そういえばさぁゆきこ昨日、沖田様と何かあったの?」 そんなに分かりやすいのかなぁ…? 同じ事を聞いてくる親子に苦笑いを浮かべて、さっきと同じ言葉を言った。 空「本当に?無理しな…って、あれ吉田様!」 そう言って、空は稔麿に駆け寄っていった。 稔麿はゆきこと目が合うと、おいでおいでと手招きされた。近寄っていくと、キョトンとした顔をされた。そして手を伸ばしてゆきこの目尻に手を当てた。 空の視線が痛い。 稔「ゆきこ…泣いた?」 ゆ「っ…」 バッと離れてグシグシと目を拭いた。分からないと思ってたに…やっぱり観察力がすごいんだ… 空「…あれ?吉田様ってゆきこのこと、ゆきこって呼んでましたっけ?」 ゆ「うん…まぁ」 強くやり過ぎて目がヒリヒリした。 .
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