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ゆ「どれがいいかな…」
とりあえず、鬘から選ぶことにした。真っ直ぐのサラサラな鬘に、耳よりちょっと下くらいまでの鬘、少し癖のついた鬘まで、色んな種類があった。とりあえず被っては取って、被っては取ってを繰り返した。
ふと、ある鬘が目に入った。その鬘は腰あたりまである長い鬘だった。だが、サラサラで柔らかく手触りも良かった。
ゆ「…これにしようかな…」
忍の人が持ってきてくれた荷物の中から髪紐を取り出して頭の上で一つに結ってみた。
晋「いいんじゃねぇか?似合ってるよ」
ゆ「本当ですか?じゃあこれにします!」
とりあえず鬘を取って次は袴を選ぶことにした。これは別にどれでも大丈夫だと思う。そんなことを考えながら見ていると、稔麿が起きたのか伸びをしていた。
ゆ「あ、起きた?袴どれが良いと思う?」
そう言うと、稔麿は近寄ってきて肩に寄りかかってまた寝息をたてはじめてしまった。猫みたい…
ゆ「おーい。稔麿?」
頬をツンツンしてみてめ起きる気配はない。動けないんですけど…
もう、どれでもいいや!
適当に選んで、着替えるために部屋を出た。
あ、もちろん稔麿は晋作にどかしてもらいました。
忍の一人に、案内してもらい他の部屋に入った。
…サラシって巻くのかな?
ゆ「あの~…」
「何でしょう」
ゆ「サラシって巻きますか?」
「はい」
そう言って、サラシを差し出してきた忍に溜め息が出た。
…顔が見たいな。多分、女だっていうことは分かるんだけど…
まぁいいや、後で高杉さんに聞いてみよ。
早速着替えを始めた。まず胸にサラシを巻いていく。
…正直言ってキツい…
袴の着方は昔やったことあるから普通に着れた。
最後に鬘を被って、髪を結べば出来上がり。
鏡を見ると、何時もと違う自分が映っていた。
元々、中性的な顔立ちなゆきこは表情や着物、髪型を変えてしまえば少し女性らしいが好青年に見えた。
ゆ「こんな感じ…?」
「では、行きましょう」
忍の人は、ゆきこを元いた部屋に戻すと姿を消した。
中に入ろうと襖を開けた瞬間…
パシッ
ゆ「……危な」
襖を開けた瞬間、ゆきこに向かって飛んできたクナイ。間一髪でクナイを掴んだ。もし掴まなければ、ゆきこの眉間に直撃しただろう。
ゆ「もし当たったらどうすんの稔麿?」
にっこりと笑っている稔麿に溜め息をつきたくなった。
なんだか、溜め息をつく回数多い気がする…
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