―敵側―

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これじゃあ近寄れないし…それより、どれだけお団子食べたんだろ? 辺りを見回すと晋作と稔麿は自分の方に向かってくる串だけ避けていた。 暫く投げていると串が無くなったのか攻撃?が止まった。 三人はお茶を飲みながら、これからどうするんだろう?と見守っていた。 すると小五郎は懐から小太刀を取り出して三人に投げた。 …なんで私まで? もっともだ。 投げられた小太刀を軽々避けた三人。晋作は冷たい水が入った茶器を稔麿に軽くポイッと投げた。水が零れることなく稔麿の手に収まった茶器はまた、見事な放物線を描いて小五郎の頭に落ちた。 桂「冷たっ!?」 稔「いい加減にしなよ。煩いな…」 桂「…はい。すいません」 どちらが年上か分からない…畳に刺さっている串を抜きながらゆきこはそんなことを思っていた。 ゆ「桂さん。着替えてきたらどうですか?」 桂「そうする…」 今日は厄日だと今更ながらに悟った桂だった。 桂「しかし、稔麿が女人に興味をもつとはな…」 稔「煩いよ」 ピシャリと小五郎の言葉を遮った稔麿は座っているゆきこを抱き寄せた。 稔麿は触れ合うのが好きだと知っているゆきこは特に驚いた様子もなく体を預けた。 と言っても、ゆきこ限定だが。 桂「まぁ、元気そうで何よりだ!」 無邪気な笑顔を浮かべる小五郎に、稔麿も晋作も少し居心地が悪そうに顔を逸らした。それをちゃんと照れ隠しだと分かっている小五郎はただ笑っているだけだった。 桂「どうだ?これから島原に呑みに行かないか?」 晋「小五郎にしてはいいこと言うじゃねぇか」 稔「小五郎が払ってね?」 ゆ「楽しんで来て下さいね」 流石に女の自分が島原に行くわけにはいかない。と思ってそう言うと稔麿が後ろから肩に顔を乗せて笑った。 稔「男装しないとね?雪斗」 ゆ「え?いや、私…女だから」 晋「別に男装していけば問題ないだろ」 ゆ「いやいや…問題ありますから」 男装すれば良いって問題じゃない。 なんでわざわざ女が遊女に会わなきゃいけない… 稔「ほら、着替えて」 ゆ「ちょっ…人の話しを聞けーー!」 .
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