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ゆ「さてと。私、夕餉の準備してくるね?」
稔「ねぇゆきこ?」
ゆ「ん?」
稔「別に君が働く必要は無いんだよ?」
ゆきこは稔麿たちの仲間として此処にいる。別に働かなくても良いはずなのに、ゆきこは自分から手伝いを申し出ている。
ゆ「…私、出来ることはやりたいの。それにね、ジッとしてるのは性に合わないんだ」
稔「そっか。うん、分かった」
そっちの方がゆきこらしいや。
ただ悲しんでいるだけなんて、ゆきこらしくない。
ゆ「稔麿。行こう?」
稔「あぁ」
夕餉の支度をしようと台所に向かったはいいが、稔麿は全く料理が出来なかった。
野菜を切ってほしいと頼めば、指を切って野菜に血をつけてしまい。
ご飯を炊いてほしいと頼んだら、何故か火がつかず。やっとついたと思ったらお米は少し焦げていた。
しかも、味噌汁くらいなら作れるだろうと任せたら味噌を入れすぎて辛くなっていた。
稔「ごめん…ゆきこ」
ゆ「仕方ないよ。誰にだって苦手なことはあるから」
煮魚の火加減を調節しながら隣でうなだれている稔麿の背をポンポンて叩いた。
ゆ「これで完成。稔麿運ぶの手伝ってね」
稔「うん」
晋「お、今日は煮魚か…美味そうだな」
桂「随分遅かったな。どうしたんだ?」
部屋に持っていけば、みんな揃っていて珀と沙羅もいた。
ゆきこと稔麿も腰をおろして、少し遅めの夕餉を食べ始めた。
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