―初めての喧嘩―

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晋「ゆきこ、おめぇ新選組の屯所の構図知ってるか?」 ゆ「え、あ、はい。だいたいは…何故です?」 晋「実はな、珀は新選組に侵入させることにした」 ゆ「だっ駄目です!!お願いします。やめて下さいっ!」 目を見開いて、叫ぶように言ったゆきこに、晋作も小五郎も驚いて酒を注ごうとしていた手が止まった。 ゆ「お願いします…。別に屯所の構図を教えるのは構いません。でも…」 危なすぎる。ゆきこの前では彼らは残酷な顔を見せなかった。でも、ゆきこは知っている。彼らは敵には容赦ないことを…。 晋「…隊士として珀を忍び込ませる」 ゆ「隊士として…?」 晋「あぁ。そこで、ゆきこお前にも協力してもらいたい」 ゆ「私が…?」 どういうこと? 私はもう新選組の人達に顔がバレてるから忍び込むなんて無理。 晋「隊士として侵入した珀の恋人役として情報を貰ってほしい」 ゆ「え?あ、あぁ…なるほど。それなら…」 晋「協力してくれるか?」 ゆ「はい」 私には、この人たちを止めることは出来ないから。だから、少しでもいい方を選んで進んでいこう。 ゆ「それで?」 晋「あ?」 ゆ「珀は何日間忍び込むんですか?」 晋「…情報が得られ次第だ」 杯を差し出してきた晋作にお酒を注ぐ。稔麿は未だに古高を着替えさせようとしている。珀もだんだん疲れてきたのか面倒くさそうな顔をしている。 ゆ「じゃあ私はその間、少し変装した方がいいですよね」 晋「あぁ、頼む。すまねぇな…」 ゆ「大丈夫ですよ。お世話になっている身ですから、お役にたてることは何でもしますよ」 と、その時… 稔「あはははは!傑作だよ!」 稔麿の笑い声が聞こえて、そっちを見れば古高が女物の着物着せられてうなだれていた。 それを見て、稔麿は腹を抱えて笑っている。珀は疲れたように立っていた。 ゆ「珀?大丈夫…?」 珀「あ、あぁ…大丈夫だ」 晋「珀。すまねぇな少し休んどけ」 珀「すいません…」 そう言って、珀は姿を消した。可哀想に…。古高さんも可哀想だけど。暇つぶしで女装までさせられるなんて… 稔「あはははは!あ、沙羅ちょっと降りてきて!」 .
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